今日はあえて、テクニックではなく精神論的に、コーヒーを美味しく淹れるためにはどうすれば良いのかを考えてみたいと思います。
テクニックではないので、「1湯目の蒸らしの時間は◯◯秒で・・・」などはナシ。
また今度、気が向いたらアップすることにします。
おかげさまでご高評いただいている当店のコーヒーですが、
コーヒーを淹れている最中、一体何を考えているんでしょうか。自分なりに分析してみました。
(ちなみに、1杯のコーヒーに集中できる状態で、という前提です)
まず、テクニック的な事を考えます。これがベースになるので、頭の容量の大体10%くらいはテクニックです。
最初はテクニックで一杯ですが、習熟してくると頭を使わなくてもよくなってくるので大体10%くらいです。
次に、姿勢です。姿勢が悪いと手元が安定しないので、全身を意識しています。
足の裏から腰にかけてで身体に円運動をかけ、腰と肘の角度でお湯を落とします。
足の裏から腰に力を伝えるように重心を回すと、全身の関節が良いサスペンションとなって、
運動がちょうどよく手元に伝わるのです。
手首や肘で調整しようとすると、どうしても力が入りすぎて安定しないのです。
姿勢については、頭の中の25%くらいで考えています。
そして、テクニックにも繋がることですが、「お湯を置いてくるイメージ」を意識しています。
当然ですが、コーヒーはお湯と粉が触れている時間がながければ長いほど、ちゃんとエキスが抽出されます。
ポットから勢い良くお湯が落とされると、粉にお湯が「ズボッと突き刺さ」り、そのまま「勢い良く流れ落ちる」ので、あまり抽出されないのです。
なので、理想としては表面にお湯を軟着陸させ、じんわりと染み込んでいくような感じがベストです。
雪解け水がじわじわ溶けて地面に染み込んでいく感じです。集中豪雨は土砂崩れするからダメ。
そのためには、ポットのお湯の出口とコーヒーの表面の距離が短いほどやりやすいです。
これは姿勢にも関わってくる(姿勢次第でベストなポジションが変わる)のですが、
これもだいたい25%くらい考えています。
テクニックについて10%、姿勢について25%、ポットから流れるお湯のイメージ25%で、今のところ60%です。
残り40%のうち、35%は「フィルターの中のコーヒー豆の状態」をイメージしています。
コーヒーは食品なので、毎回毎回状態が変わります。
膨らみ具合や、お湯の落ち方など変わってきます。
なので、フィルターの中の粉とお湯の状態を見ながら、イメージしています。
粉全体にお湯が行き渡っているのか、お湯は多すぎないか、少なすぎないか。
美味しいところが抽出されているか、エグみまで抽出されていないか。
お湯が多すぎて薄くなっていないか、などです。
そして、最後の5%は、時間と湯量です。
これは単なる情報なので、テクニックの目安にするくらいでOKなのです。
時間と湯量だけで判断すると、なんかあまり味気なくなってしまいそうで…(←まさに精神論)
そう言えば、コーヒーを淹れている間、「美味しくなれ!」という祈り的なことは考えていない事に気づきました。
そもそものコーヒー豆が美味しいので、ちゃんと淹れればちゃんと美味しくなるからか、
私は祈り的なことはあまり意識していないようです。
精神論的にコーヒーの抽出を考えてみましたが、
自分でも意外にいろいろ考えていることがわかりました。
今度当店にお越しいただき、コーヒーを注文された際には、ちょっと気にして見てみるのも一興かもしれません。
なので!抽出中の会話に「あー、ですね」が出てくる率が高まっても、勘弁してやってください。
正直たまに会話が頭に入っていない時もありますが、それっぽい時はそれなりに察してやってください!
美味しいコーヒーを淹れるためで、悪気はないのですよ!
・・・という、今日このブログで最も言いたかった最後の一文を伝えるために、長文になってしまいました。
お付き合いいただき、ありがとうございました。
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